【ワンちゃんとの初めての挨拶で気をつけること〜その2】
前回に続き、今日は飼い主さん側の、愛犬が初対面の人と接するときの注意点と躾についてご紹介します。
初対面の人に、ワンちゃんが突然飛び掛かることがあります。
ワンちゃんが何故人に飛びかかるか、皆さんご存知ですか?
それは、目線を人と合わせたいため、なんです。
犬は上位の犬に対して親愛の情を表す際に、相手の口元を舐めて挨拶をする動物です。(これは狼の名残)
加えて、子犬が母犬に食べ物をねだる時の仕草も口元を舐める行為で表現します。
ワンちゃんが人の顔を舐めるという行為は、相手に対する敬意と、安心・信頼・甘え、かまって欲しいという気持ちの表れなんですね。
しかし、喜びと興奮が爆発してしまうと、全身を使って喜びを表現しようと人の顔や体を目がけて猪突猛進してしまうことがあります。
初対面の人にワンちゃんを会わせるときは、飛びつかせて怪我をさせないように、なるべくリードはつけたままにし、十分な時間をかけて、ゆっくり近づいていくようにしてください。
≪子犬の時からの、躾が重要≫
子犬の時は飛びつくような全身を使った愛情表現も可愛いものですが、ワンちゃんは自分の体が大きくなり力も強くなっている事を自覚できません。心はいつまでも子犬の時のままなのです。
そのため、子犬の時に全身を使ったじゃれ合う行為を容認してしまうと、じゃれれば人が可愛がってくれるんだと理解し、成犬になってからも同じ行動を取ってしまうのです。
そこで、人に対してジャンプをしたり、人が床に寝ころんだ状態で羽交い絞めされながら顔を舐める行為を取った際には、相手にせずその場を離れ必ず無視をしてください。
Point:目線を合わせない、顔を背ける、背中を向ける
心を鬼にして、ここは毅然とした態度で接しましょう。
「ご主人は飛びつこうとすると嫌がって相手をしてくれないんだ。」と徹底的に理解させます。
ワンちゃんが飛びつくのを止め、おとなしくなったら、目を合わせ、両手を広げておいでと迎えてあげるか、こちらから触ってあげましょう。
そしてまた嬉しくなって飛びかかろうとしたら、またそっぽを向くなり、席を立つなり相手をしないでください。
しばらくこの行為を徹底して繰り返し覚えさせます。
またこのとき、大きな声で注意したり叫んだりすると、
大きな声を出している=興奮している=喜んでくれている
と勘違いして歯止めがききません。
躾で使用している「ダメ!」や「NO!」や「痛い!」といった短い言葉も一回だけにしましょう。
静かにそっけなく知らんぷりするのが、ワンちゃんにとっては一番いい方法です。
とはいっても、子犬はじゃれあいやスキンシップで愛情を満たします。
どうしてもじゃれあいが好きな子には、ワンちゃんが下位の姿勢であるお腹を上に向けた犬でいう降参のポーズや、伏せの姿勢をした時に、全身をぐしゃぐしゃに撫でまわすように触って可愛がってあげましょう。
飼い主さんが会って嬉しい人は、ワンちゃんにとっても会えて嬉しい人。
喜びの表現方法をきちんと教えて、素敵な出会いの夏にしてあげたいですね。